においのあれこれ
Q1.『におい』ってなに?
A1.
『におい』とは、常温でガス(気体)が嗅覚を刺激し、人が感じる感覚です。ポイントを絞ると
① 常温で僅かでも揮発性のある物質
② 嗅覚を刺激する物質
の2つの条件を満たす物質が『におい』です。
Q2.『におい』の感じる物質はどれぐらいあるの?
A2.
人が『におい』を感じる物質は約40万種類あると言われています。
この中で、人が意図的に使用する『におい』の香料に使用されているものは、
800種類ぐらいと言われています。
Q3.人の嗅覚は敏感?
A3.
人の嗅覚は『におい』特に悪臭と言われる『におい』には、想像するのも難しいですが、
1億分の1(10mの立方体の中に1cc)あるだけで『におい』を感じてしまう物質がたくさんあります。
さらにはその10,000分の1の1兆分の1で『におい』を感じる物質もあります。
人の感覚内で嗅覚は、飛び抜けて敏感な感覚と言えるでしょう。
Q4.人が感じる『におい』の限界以下になると?
A4.
当然『におい』を感じません。
人が『におい』を感知できる限界の濃度を閾値といいます。
閾値には2通りあり
① 検知閾値 = 何の臭いか判らないがやっと感知できる濃度
② 認知閾値 = 何の物質の臭いか判る程度の濃度
が、あります。
臭気対策において閾値という場合は、検知閾値を表します。
Q5.『におい』の感じ方の個人差はあるの?
A5.
日常生活で鼻が利く人・利かない人がいると感じる経験をした事は、誰でもあると思います。
その体験の通り、人の嗅力の個人差は相当あると考えられています。
また、個人の嗅力も体調の変化や時間によって変動すると認められています。
さらに、嗅覚に関する調査を行った機関によると、20人に1人程度の割合で嗅覚能力に異常があると報告されています。
嗅覚能力異常者の中で、ある『におい』だけ「感じにくい」もしくは「におわない」人が多く、
本人の自覚と必ずしも一致していないことがあります。
Q6.嗅覚はなぜあるの?
A6.
人は生物です。生物は生き延びる為に環境に適した能力を身につけ、進化してきました。
人の五感は生き延びるために身につけた能力と言えます。
中でも嗅覚は、焦げた『におい』、腐った『におい』がした時には、生命を脅かす危険が
近くにある場合が多く、その危険をいち早く察知するため発達したと考えられ、
刺激が脳に直接届くと言われています。
脳に直接届く『におい』は、それだけ本能的で記憶に刻まれやすいと言えます。
Q7.悪臭とは?
A7.
人が感じる事の出来る臭気の内、不快なものを悪臭とよびます。
人の生命を脅かす危険があるものから発生する『におい』は、基本的に悪臭です。
ただし、経験・環境により不快と感じなくなる事もあります。(納豆などの発酵食品)
また、果物や香水の良い『におい』でも、強すぎると悪臭と感じる事もあります。
さらに、同じ『におい』でも人により良し悪しの評価は変わります。
コーヒーが好きな人には良い『におい』でも、コーヒーが嫌いな人にはイヤな『におい』と感じます。