においの測定方法には大きく分けて、分析機器による機器測定法と人の嗅覚を用いる嗅覚測定法の2通りがあります。
機器測定法
悪臭防止法施行当初より臭気測定に使用されていた分析機器(GC・分光光度計)では数値化が容易で、繰返しの測定誤差が少ないメリットがあります。
『におい』の原因物質を特定したり、『におい』の主成分が特定できる場合に有効です。
近年開発されたニオイセンサーは、比較的多くの『におい』の種類に反応し、現場で手軽に『におい』を数値化出来ますが、『におい』の種類が変わると、『におい』の強さと数値の関係が大きく変わってしまうことがあります。
実際には『におい』の状況に応じて、これらの機器を選定することが必要です。
嗅覚測定法
人の嗅覚によって『におい』の強さを数値化する嗅覚測定法は、機器測定法には難しい複合臭についても数値化でき、人の感覚で評価を行うので、最も『におい』の感覚をそのまま数値化したものと言えるでしょう。
嗅覚測定法は空気の『におい』を測定する「三点比較式臭袋法」と水の『におい』を測定する「3点比較式フラスコ法」があります。
一般的に測定頻度の高い「3点比較式臭袋法」の測定の手順は、
①.まず現場で試料を採取します。
②.無臭の空気袋を3つ用意し、
その内の一つに現場で採取した試料(サンプル)を注入します。
③.その3つの空気袋をあらかじめ実施した嗅覚検査に
合格した者(パネル)6人以上に嗅いでもらい、サンプルが
注入された袋は、どれかを当てていきます。
④.パネルが嗅ぎ分けられなくなるまで徐々に
サンプルの注入量を減らし(希釈倍率を高くし)て
②・③の手順を繰り返します。
⑤.パネルが『におい』を嗅ぎ分けられなくなったサンプルの
希釈倍率により、臭気濃度(臭気指数)を算出します。